シルス・マリア 犬養道子さん 「私のスイス」より

シルス・マリアを訪れたのは、理由がありました。

作家の犬養道子さんの著書に、「私のスイス」という著書があるのですが、その中にシルス・マリアの事が出て来るのです。

そこにはこうあります。

もしも老年の最後の日々を(与えられた一生の仕事や責任とは別の次元の、純粋は好みだけの問題として)、どこで過ごしたいか、ひとつ選べと言われたら、私はためらうことなく答えるだろう、シルス・マリアと。シルスの湖畔と(中略)

私は、郵便バスでサンモリッツ経由、ほぼ40分先のポントレジーナに宿をいつも取っていた。
しかし、シルスを知ってから、黄昏の光の柔らかい夕べや、朝焼けの紅の濃い日や、霧が雨をはらんで白く流れる午後、誘われるように幾度か、出掛けて来た。
シルヴァプラナでバスを棄てて、シルスの青さを見つめながら、ゆっくり歩いてマリアの村に(中略)

貴い恵みのひとしずくのように、大切にしまっておきたい、そんなシルスのマリアであるから。

そして、著書の中に、犬養道子さんが描かれたのか、2つの絵が紹介されており、
1つは、「マロヤをシルス・マリア湖より望む」 もう1つは、「バスを待ちつつ 村の郵便局と泉」とあります。

哲学者ニーチェや詩人のリルケも滞在したと言い、山の画家セガンティ-二の作品にも、シルス湖が描かれているとの事で、そのセガンティ-二のお墓は、シルス湖のマロヤの草原の中にあるとの事です。

子供の頃、犬養道子さんの「私のスイス」を読んで、シルス・マリアの名前は知っていました。
いつか行ってみたいと思っていたのですが、今回サンモリッツを観光するに当たって、シルヴァプラナ、シルス・マリアを散策する事が出来ました。