旅行記 「アルプス物語 わたしのアンネット」の村ロシニエールを散策して

列車を降りてから、道案内をしてくれた女の子に手を振りました。

「いろいろありがとうございます」

「いいえ、どういたしまして。気を付けて」


ロシニエールはシャトー・デーのすぐ隣にあります。
人口はどの位なのか分からないのですが、本当に小さな村です。
普通の地図帳にはまず載っていませんとの事でした。
私がこの村を訪れたのには理由がありました。

1983年、日本でアニメ化された「アルプス物語 わたしのアンネット」という物語の舞台となった村なのです。
原作は「雪のたから」と言って、イギリスの女流作家、パトリシア・セントジョンという方が書いた物語で、欧米では映画化もされている作品だと聞いています。
原作の前書きによると、作者は幼少時代にロシニエール村に住み、その時の体験をもとに物語を書いたとの事です。
いつか行こうと思っていたのですが、今回スイスを旅行するにあたり、ロシニエール村も散策する事にしていました。今回のスイス旅行の目的の1つでもあったのです。

幼少の頃、リアルタイムでアニメを観て、原作も読み、実際に物語の舞台である現地を訪問出来るという事がとても嬉しかったのです。


駅はアニメの通りでした。
駅を見た時、アニメの第47話の「足の治ったダニーが、元気よく両腕を振って、列車から飛び降りるシーン」が思い浮かびました。

駅にはロシニエール村の案内図、全体図が掲示してありました。
駅の案内板で村の全体図を把握してから歩きました。

駅を背にして、まっすぐに歩いて行くと、T字路にぶつかりましたのでそこを左折、さらに歩いて行くと、また道にぶつかりましたので右折、そしてまっすぐ歩いて行くと、村の広場がありました。
ここは1話にも出て来る村の広場で、真ん中には泉があって、ここもアニメの通りでした。
アニメで描かれている泉の屋根は、現在は取り払われているようでした。
広場では男の人が2人、噴水機のような大きなホースを使って、水で広場の泥を洗い流していました。

村の広場にはこれもアニメのままで、手すりの付いた階段があり、その階段を登って行くと、左側に白い時計塔がありました。この時計塔もアニメの通りでした。

時計塔からさらに歩いて行くと、これもアニメの通りで、教会がありました。
教会の外観は、アニメと全く同じでした。
教会のすぐ近くには、アンネットたちが通っていた学校があり、これもアニメのままでした。
ただ学校は、建て増しされたのか、建物が2つありました。
ブランコ、すべり台、シーソーがありました。

教会の敷地内に入ってみると入口があり、扉が開きましたので中に入りました。
教会の中に入ってみると、教会の中もアニメの通りでした。

「アニメと全く同じだ」と思いました。
牧師さんの説教台の形も位置も、全体の造りも、アニメと全く同じでした。

ルシエンのお姉さんのマリーが結婚式を挙げた教会です。
セントジョンもアンネットとルシエンと同じように、クリスマスにはこの教会で、しょうがパンを貰っていたのでしょうか?
「この教会はプロテスタントかな?カトリックかな?どっちだろう?」と思いましたが、原作者がたぶんプロテスタントの宣教師だったように記憶しているので、「教会の中の雰囲気や中の造りからすると、たぶんプロテスタントの教会かな?」と思いました。

「毎週日曜日には、村の人たちは教会に行っているのかな?」と思いました。
教会の外に出て良く見ると、教会の入口の近くの窓と窓の間に、ロシニエール村の日時計がありました。