クール駅でユリア峠を通るポストバスに乗れなかった私は、クール駅のホームに移動して、サンモリッツ行きの列車を待ちました。
ホームで列車を待っていると、3人のスイス人らしき人が、若い人で男性が2人、女性が1人、私の方を見て、クスクス笑っているのです。
「このボロボロになった傘を見て笑ってんだろ? しょうがないだろ? グリンデルワルトは大風で強風だったんだから。 壊れた傘は捨てて新しい傘を使えばいいんだろうけど、日本から来て勝手が分からないと思って・・」
列車が来ましたので、列車に乗りました。
後はサンモリッツに着くまで、乗っていればいいだけです。
私は少しホッとしました。
駅員さんが乗車券を確認しに来たので、その際に、「ここからサンモリッツまでは、どの位掛かりますか?」と聞きました。
「2時間です」と言いました。
「2時間!? 2時間も掛かるの?」
「はい、そうです」
仕方がないので、窓の外の景色を見ながら、過ごす事にしました。
スイスの良いところは、景色がいいので、乗っている時間が長くても飽きない、という事でした。
どこを見ても綺麗で、あっという間に時間が過ぎてしまうのです。
サンモリッツに近付くにつれて、「やっぱりスイスは、どこも綺麗なんだけれども、グリンデルワルトとは、また違った美しさだ」と思いました。いかにもエンガディ-ン地方という感じの風景でした。
マイエンフェルトでの散策が長かったため、サンモリッツへは夜の21時頃になってしまいました。
サンモリッツに着くと、私は駅からグリンデルワルトから送った荷物を受け取って、予約したホテルに向かいました。
「ホテルまで荷物をお持ちしますか?」と聞かれましたが、「大丈夫です。自分で運びます」と答えました。
サンモリッツ駅は、サンモリッツ湖畔に建っていました。
高級リゾート地の駅らしく、大きくて落ち着いた感じの駅でした。
駅の建物の真ん中は大きな時計の塔になっていました。
ホテルはサンモリッツ駅のすぐ真ん前にありました。
ホテルまで荷物を持って歩き、ホテルにチェックインして、自分の部屋の鍵を貰いました。
ただ歩き詰めで疲れていたのと、お腹も空いていたため、ホテル内のレストランで、夕食も兼ねて一息入れました。
夕食は、ライスをスープで煮込んだグリンピース入りのお粥のようなものを頂きました。
たぶんリゾットだと思います。飲み物はオレンジジュースを頼みました。
私はその日は、疲れていたので、シャワーを浴びた後、すぐに寝てしまいました。