チューリッヒ空港から成田空港へ

午後13時に飛行機は、チューリッヒ航空を離陸し、成田国際空港へ向けて出発しました。

隣の席はスイス人の女性だったのですが、子供を連れていたため、スチュワーデスさんが配慮してくれたのか、後ろの方の男性と席を変えたようです。

スイス人の女性の代わりに、隣に座ったのは、若い青年でした。
どことなく日本人のようでもあり、でもスイス人のような顔立ちでもあり、どっちなのか分かりませんでした。
しばらして、近くに来たスチュワーデスさんに、今どの辺を飛んでいるのか、高さはどの位なのかを聞こうとしたのですが、言葉が通じなかったため、どうしよう?と思っていると、

隣に座った青年が、「何かお困りですか? 私は日本語も話せるので、良かったら通訳しますよ」と言ってくれました。

私は今、どの辺を飛んでいるのか、どの位の高さなのか、聞きたいのですが、と言いました。

「ああ、今はロシアの上空です。高さは・・日本まではまだまだ掛かります」

私は青年にお礼を言うと、「スイス人の方ですか?」と聞きました。

青年は、「はい。スイス人のハーフです」と答えました。

「ハーフ?」

「はい。父が日本人で、母がスイス人です」

「そうだったんですか、日本人かスイス人か分からなくて・・それでそんなに日本語が上手なんだ」

「日本に着くまでの間、何かあったら通訳しますよ」と言ってくれました。

彼は、インターラーケンの近郊の村に住んでいるとの事でした。

「ほんと田舎です。な~んにもないとこです。 フリースタイルって知ってます? 

僕やってるんですけど、怪我しちゃって腰を痛めちゃって、1カ月位入院しちゃったんです」

「あら~それは大変でしたね。
私は滑るスポーツは全部できなくて、サッカーとかテニスとかは、やった事あるんですけど」

「日本のどこに住んでるんですか?」

私が答えると、地理も特産品も知っていたので、

「ずいぶん詳しいんだな。やっぱり日本人とスイス人のハーフだからかな?」と思いました。

「お仕事は何されてるんですか?」と聞かれましたので、

「不動産業です」と答えました。

「不動産業・・じゃあ、帰ったらお仕事ですか?」

「そうですね、仕事に戻ります」

「スイスへは何しに来られたんですか?」

「休暇ですね」

彼はインターナショナルスクールに通っているとの事でした。
日本人とスイス人のハーフで、日本語が上手でしたから、英語やドイツ語なども堪能なのでしょうか?
スイス人は語学が堪能な人が本当に多くて、3ヶ国語、4カ国語は平気で話せる人が多いのだから凄いです。

彼とは飛行機の搭乗中、通訳も兼ねてお話していました。
彼は飛行機の中でずっと、本を読んでいるか、ゲームに興じていました。