私は映画の舞台となったグリンデルワルトのホテル・ベラリーをほんの少し見られればいいなと思って来ただけなので、ここまで長くお話しする事になるとは思っていませんでした。
しばらくすると、観光客が帰って来たようでした。
ほとんどが日本人観光客でした。
「あなた、食事はどうするの?」
「まだ食べていないんですけど・・特にどこで食べるかも、まだ決めてないんです」
「うちで食べてく? ただし料金は掛かるけど」
「あっ、じゃあそうさせて頂きます」
入口から入って左側にフロントがあり、右側は観光客が食事を取るフロアーでした。
フロントのそばにはお客さん用のソファーがあり、通して頂いた奥の広い窓際の部屋が、私が中島さんとお話したグランドピアノのあるサロンになっていました。
食事はスイス人の奥様が作って下さいました。
窓から見える美しい景色を見ながらの食事と、スイス料理はとても美味しかったです。
スイス人の奥様は、「今日はありがとうございました」と言って、握手して下さいました。
「またスイスに来る時は、ベラリーを利用させて頂きます」と言うと、
中島さんは、日本語の通じるメールアドレスと連絡先、ホームページを教えてくれました。
食事をして、また中島さんと少しお話をした後、お礼を言ってホテル・ベラリーを後にしました。
中島さんは、玄関まで見送って下さいました。
奥様とは、手を何度も振ってお別れしました。
「またスイスに滞在する時は、ホテル・ベラリーに宿泊しよう」 そう思いました。